履行の強制というのは、債務の内容を公の機関によって強制的に実現することをいいます。 ■金銭の支払や物の引渡し等の場合には、その強制履行を裁判所に請求し、債務者の財産を差押え換価して金銭を債権者に交付し、あるいは執行官が債務者から取り上げてその物を債権者に渡します。 ■債務者の板塀撤去とか建築しないとかの作為不作為では、第三者にさせられる(代替執行)ものは、裁判所の授権決定によります。それが許されない場合で、債務者が不履行のときは、一定の金銭を支払う旨命ずる間接強制によります。 ■意思表示をする債務では、判決の確定のとき意思表示があったものとします。
手付解除は、相手方が履行に着手するまで行うことができますが、履行の着手というのは、客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし、あるいは履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指すとされています(最判昭40.11.24)。
一般的には、次のようなものがあります。 ■売主による履行の着手行為 ⇒ 所有権移転登記の申請 ⇒ 売却を前提とした分筆登記の申請 ■買主履行の着手行為 ⇒ 中間金の支払等
□